LA VIE=生命 吉田 堅治展 鋸山美術館(富津市)
会期:2021.07.03(土)〜2021.11.27(土)
鋸山美術館では7/3(土)〜11/27(土)まで「吉田堅治展」を開催しています。
以下美術館ホームページからの抜粋。
吉田堅治(1924-2009)は40 歳で単身パリに渡り、以来約40 年以上、欧州を中心に活躍し「マヤ・シリーズ」や晩年の「平和の祈り」など数々の重要な作品を発表しました。1993 年、現存の日本人作家としては初となる個展をイギリスの大英博物館にて開催するなど世界的に評価された画家です。
吉田の創作の原点は自身の戦争体験にあります。20歳で志願して特攻隊員となりますが、出撃することなく終戦を迎えます。多くの恩師や戦友を亡くした経験が「生命」について深く考えるきっかけとなります。「生命」とは何か、「平和」とは何かを問い続けた孤高の画家、吉田堅治の知られざる生涯をを垣間見る展覧です
1964年、日本が東京オリンピックの高揚感に沸き立つ中、吉田は教職を辞し単身パリへと向かいます。そこでスタンレー・ウィリアム・ヘイターの銅版画工房「アトリエ17」に通い、様々な版画制作に専念します。ヘイター式一版多色刷り版画、エッチング、シルクスクリーン、油彩技法など様々な表現を試みる中で独自のスタイルを模索していきます。
特に吉田がこだわったのが「黒」の表現です。1944年、吉田は軍隊に入りカミカゼ特攻隊士として訓練を受けます。多くの戦友の死を目の当たりにし、また自らも死を覚悟した経験から吉田は「生と死」、「生命」とは何かを考えるようになります。そして、深い内省の果てに「黒色はすべての色を吸収している。黒を知ることは自分を知ることになり、そこに無限の表現要素がある」と語るように、吉田の描く無機的で深い闇のような「黒」は重要な要素となっていきます。以後、生涯をかけて吉田はその表現を深化させていくのです。
最晩年、吉田は金銀箔の世界にたどり着きます。ヨーロッパではその煌めく表現から「光の画家」と称される吉田。創作の前に般若心経を唱えていたとされる吉田にとって真円の造形には仏教的な要素が強く感じられるかもしれませんが、同時に吉田は全ての宗教は一つという考えも持っていました。対立のない平和な世の中を求めた吉田らしい表現です。
鋸山美術館
会期:2021年7月3日(土)~11月27日(土)
主催:公益財団法人 鋸山美術館(吉田 堅治展実行委員会)
後援:富津市/富津市教育委員会
協力:ギャルリーヴィヴァン
開館時間:10時-17時 (最終入館は16時30分まで)
休館日:火曜日※ただし11月23日(火・祝)は開館、11月24日(水)は振替休館
入館料:一般800円 中高生500円 小学生以下無料 障害者手帳お持ちの方無料 団体20名以上1割引
交通手段 電車 内房線 浜金谷駅から徒歩5分/車 富津金谷ICから車で5分/東京湾フェリー 金谷港から徒歩1分
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