2021-01-31

生誕100年記念ヨーゼフ・ボイス展 カスヤの森現代美術館(横須賀市)

会期/2021年01月09日(土)〜2021年03月29日(日)

ヨーゼフ・ボイスは「社会彫刻」と呼ばれる社会の中に機能する芸術の概念を生み出し、60年代以降のアートシーンに多大な影響を与えると共にその作品やアクションを通し、政治、経済、環境という社会的な問題について様々なメッセージを発信し続ける事で従来の近代美術を克服した20世紀を代表する作家の一人です。
 カスヤの森現代美術館では1994年の開館当初より企画展や常設のコレクションを通してヨーゼフ・ボイスについて紹介してまいりました。2022年5月に生誕100年を迎えるのを記念して普段展示されていない作品やアクションの記録写真などを展示、没後35年が経過する中、改めてその作品に触れ、そこから導かれる思想や未来の芸術のあり方を示そうとしたボイスのメッセージを再考する機会になればと考えます。
 1984年に来日した際、ヨーゼフ・ボイスはインタビューの中で自身の芸術活動について以下の言葉を残している。「私が試みていることは観賞される芸術作品ではなく、作品を通して何故それが成立しているのか、それがいかに社会と係わりをもっているのかーーそういう何故という問いを起こさせることであったのです。つまりそれが私のアクションの意味なのです」
(中略)
「私の目的は、自らが芸術家であることを見せることではなく、それを見た人々に問いに至るまでの意識を喚起させることでした。そこでは見る人そのものが問題になっているということです。私は人々の中に深く眠っているこうした意識を呼び起こすために、アルカイックな方法をとったわけです」(1984年5月30日 朝日ジャーナル インタビューより) 

つまりボイスが目指したのは人々が美術館を訪れ、そこに飾られた作品を観賞することで完成する従来の芸術表現ではなく、観賞した時に始まり、観賞後の人々の行動こそが重要であり、ボイスはその行動のきっかけを与えるために様々な手法を生み出し、提示し続けたと考えられます、単に新しく奇抜な表現を求めた訳ではなく、人々の中に新しい意識が芽生える事を信じて。
(美術館ホームページより)

ボイスの足型については若江漢字さんと酒井忠康さん共著「ボイスの足型」みすず書房2013に詳しく書かれています。 常設展示の中二階と合わせてボイス作品がみられ、他にも1983年のアートアクションの写真も展示されています。 この暗雲垂れ込めるいま、100歳のボイスが生きていたらどのような解釈で現代を切り拓くような作品表現をするのか・・・。

カスヤの森現代美術館

  所在地 神奈川県横須賀市平作7-12-13

  会期 2021年01月09日(土)〜03月29日(日)

  連絡先 046-852-3030

  開館時間 10:00~18:00 (入館は、閉館30分前まで)

  閉館日 月曜日・火曜日・水曜日(※展示替えの週を除く)

 

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